安住アナと齋藤孝さんの「話すチカラ」がめちゃくちゃコミュニケーションの勉強になる内容だった!
TBSアナウンサーの安住紳一郎さんと明治大学文学部教授の齋藤孝さんの共著「話すチカラ」を読みました。
この本はコミュニケーションのコツを二人の体験や仕事を対談を通して解説している本で雑談/説明/報告/プレゼン/スピーチ/交渉/電話/会話が上達するようにまとめられた一冊でした!
安住さんと齋藤先生の関係はテレビで共演しているだけではなく、なんと安住アナが大学生の頃、講義を受けていたのが齋藤先生の講義なんですね!
そんな先生・生徒の関係だった二人がコミュニケーションについて現役の大学生に語った内容をまとめたのがこの本なんです。
コミュニケーションについて話・言葉のプロである二人が語り合っているので内容もしっかりしており勉強になりました!
目次
はじめに 安住紳一郎 TBSアナウンサー 第1章 わかりやすく話す 第2章 人間関係がうまくいく話し方 第3章 話すためのインプット 第4章 日本語の面白さにハマる 第5章 上機嫌で話すマインドセット おわりに 齋藤孝 明治大学文学部教授
15秒以内で短く話す
人の集中力は15秒も持たないというルールがあるようで、15秒を超えて同じ話をしてはいけないというのです。
たとえば60秒でコメントを話さないと行けない場合は「起承転結」の4分割で15秒毎にコメントを組み立てるのが理想。
余計な言葉を入れないことを強く意識する
話のクセとして「えー」や「あのー」と言葉の頭につけるクセがある人は多いと思います。
そんな話のクセは一般的に結論が出せない、思考がまとまっていないと受け取られる場合があります。
そこで、「えー」「あのー」を入れないことを意識すると同時に話したいことをまとめておくことが大切なのです。
また、自分の話のクセに気づくことが大事で「これだけは伝えたい」という情報を強く意識して、優先順位の高い情報から話すことを心がけるべし!
「たとえ」はできるだけ具体的にする
話をするときに「たとえ」は非常に大事なことで、例えるときはできるだけ具体的にする。
具体例は人に話を聞くときも大事で、相手が少し抽象的な話をしたときには「たとえばこういうことでしょうか?」や「○○と同じようなことでしょうか?」と例を出しながら話を聞いてみる。
例がずれている場合は相手が訂正してくれるし、例が合っている場合はしっかり話を聞いていると思われる。どちらにせよ積極的に話を聞いている姿勢が伝わります。
語尾に曖昧な言葉を使わない
語尾に「〜と思います。」とつける場合は要注意が必要。あまり「〜と思います」とつけすぎると言葉が曖昧になり、まわりくどい印象になります。
このように同じ語尾を繰り返している場合は語尾にバリエーションをつけてみる。夏目漱石、川端康成、太宰治などの小説を読むと、会話に多用な語尾が使われているので非常に参考になるとこの本で紹介されていました!
人を引きつける話をするには?
話をするときに、視点の切り替えを意識すると、人の心に響くようになります。
「飛行機で羽田から鹿児島に飛んだ」ではなく、「羽田の13番搭乗口から飛行機で〜」といえばイメージがより具体的になります。「会社で毎日仕事をしています」ではなく、「デスクでウィンドウズ10を今日も使いながら〜」のほうがリアリティがあります。
デジカメで絞りの穴の大きさを広くしたり狭めたりするみたいに「ワイド・ナロー」「抽象・具体」といった使い分けが大切。
相手を気持ちよくさせる
人とよりよいコミュニケーションをとるうえで、相手を気持ちよくさせる「サービス精神」は必要。
重要なのは、自分の感情をきちんと言葉にして相手に伝えることです。そもそも、自分の感情は意外なくらい相手に伝わっていません。きちんと言葉にして伝えるだけで相手の反応は違ってきます。
相手がうれしい気持ちになれば人間関係も良好になります。
また「褒める」だけではなく「共感する」スタンスのほうが相手に伝わりやすい。相手を褒めようと意識しすぎると、他人行儀な感じになって心理的な距離ができてしまうことがある。
自分が聞き手の立場であれば、相手の発言に瞬時に反応して笑ったり、驚いたりツッコミを入れたりします。すると、「一緒にいて楽しい」という雰囲気が生まれ話しては格段に話しやすくなるとのこと。
オウム返しをすれば相手はどんどん話してくれる
タモリさんが「笑っていいとも!」でやっていたオウム返しのトーク技術がすごい。
ただ、相手の話を繰り返して聞くだけで相手がどんどん話を広げてくれる最強のテクニックかもしれない。
また「えー!」「へぇ〜!」と驚いたり、共感するのもいいかもしれない。このときに具体的なポイントを伝えると、一気に相手の心を掴むことができる。
良い相づちをうつためには、情報収集の努力が不可欠。上手な相づちをうつと「仕事ができる人だな」という感じがする。
会話が途切れてしまった場合は「たとえば〜ですか?」と促してみるのも有効。「例えば」と例を提示すると、会話の呼び水になることがある。
「内容」か「段取り」で相手をのせる
実は人とコミュニケーションを取る上で相手のテンションを高めて言葉を引き出すときに「内容」か「段取り」の手法が役立つ。
相手に質問をするときのコツは?
- 「相手が何を話したがっているか?」
- 「何を見たがっているか?」
- 「私が相手にどんな興味を持っているか?」
この3つを意識しながら、話を聞き出すことを意識する。相手が話に乗ってこない場合は自分の場合はどうなのかなど、話題を提供して会話の呼び水にする。
他人の3倍のインプットを心がける
安住アナは新卒のころ初めてのボーナスで小型のテレビを8台購入し、部屋に並べて8台同時にテレビを点けていたそうです。
そうすることで同じニュースを各局がどのように報道しているのかを研究したいたそうです。
このようにどんな業界でも、仕事で良いアウトプットをしたかったら、その3倍くらいのインプットをしておく必要があると思います。
ただ、ここで勘違いしてはいけないのはインプットが目的になってしまう場合で、あくまでインプットはアウトプットをするための手段です。
齋藤先生いわく、アウトプットが面白い人は意識的にたくさんインプットをしている。良いアウトプットをしたいなら、できるだけ複合的に大量のインプットを心がけましょうとのことです。
インプットした情報は誰かに喋ってアウトプットするようにする。そうすることで、頭に深く定着します。
そうした話し相手がいない場合はSNSで発信する。
相手が話を聞いてくれないときは?
相手に話を聞いてもらうためにはその場を制することができるかどうかで決まる。
相手に話を聞いてもらいたいなら、相手の関心事に触れるのが一番です。人は誰でも「自分の話がしたい」と思っているからです。自分に関係のある話題には耳を傾けてくれる。
まとめ
この本はコミュニケーションのとり方、話し方をテーマにして人とどのようにコミュニケーションを取ることがいいのかを教えてくれる一冊でした。
最後の方では学生へ向けての仕事術的な話もでてくるので、そういったテーマに興味がある人も読んでみてはいいのではないでしょうか。
話し方について知りたかったので、言葉のプロの二人の考えを知れたのでよかったです。
他人の3倍のインプットをすることの重要性などを安住アナ自身のストイックな体験をもとに講義してくれているのはかなり参考になりました。
第一線で活躍するプロはやはり生半可な努力では無いんだな、と考えさせられました!