堀江貴文「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」を読んだ
最近、ビットコインの2017年以来の価格の高騰などでいろいろと話題の仮想通貨ですがホリエモンの「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」を読んでいろいろとお金について考えることができたのでそれをまとめてみようと思います!
本書の目次
第1章 僕らは1000年に1度の転換期を迎えた 第2章 ビットコインと自由 第3章 イーサリアム革命 第4章 国家と通貨と仮想通貨 第5章 トークンエコノミーの中で 終わりに - エストニアにて-
お金とは信用を数値化した道具
「お金とは単なる信用を数値化した道具であり、中央集権国家の管理下でなくとも、人々の知恵で使い方を想像できる」
これは本書のみならずホリエモンの著書でよく書かれている。
具体的にはお金というのはつまるところの信用であり、それを数値化したもの。財布の中のお札そのものに価値があるわけではなく、お札はただの紙であり、ただ信用ポイントの代わりを担っているだけということになります。
そんなホリエモンの言っていることが、まさに仮想通貨では実現されようとしていて、仮想通貨は今はギャンブル性の高いボラティリティなども相まって投機の対象として話題になることが多いですよね。
しかし、仮想通貨は単なる財テクではなく技術に裏打ちされたイノベーションのひとつ、ということが本書では書かれています。
このテクノロジーの側面がこの本では非常によく取り上げられており、印象的だったのは
世界がフラット化していく中で、グローバルペイメントの需要は個人間でも広がっていく。
この一節でした。例えば、今海外にいる知人に銀行経由で送金をしたとします。そうすると、自身が行った送金はいくつもの銀行を経由して知人あての口座に振り込まれます。
この送金には高い手数料やいくつもの銀行を経由するため長い時間がかかってしまいます。
しかし、 仮想通貨の技術を使うことで送金先の知人のウォレットのアドレスさえ知っていれば、余計な手数料や時間をかけずにすぐさま送金することができます。 これは確かに新しい技術の魅力なのではないでしょうか。
イーサリアムとスマートコントラクト
ビットコインが決済を目的に作られた新しい技術だとしたら、 当時若干17歳だった天才プログラマー、ヴィタリック・ブテリンが作ったイーサリアム はブロックチェーンを利用したアプリケーション開発のためのプラットフォームです。どういうことかというと、 イーサリアム は仮想通貨の金額や受取人などの取引情報のみならず、「契約」をブロックチェーン上に記述してしまおうという スマートコントラクト の仕組みを持っています。
スマートコントラクトという仕組みを使えば、 契約そのものをブロックチェーンに記録することができ 様々な既存産業へ応用することができるというのは面白いと思いました。
スマートコントラクトというのは
契約条件の取り決めや証明・実行までを自動化させるアプリケーションやプログラムと考えてもらえばいい。ごく簡単に言えば、支払いが遅れたら、購入者の口座から販売者の口座に自動的に遅延損害金が移るようなプログラムが組めることだ。
というものになります。例えば、不動産であれば土地の売買、音楽や書籍などではそれを二次流通などを記録することもできます。 すべての商売というものは「契約」によって成り立っています。その「契約」の自動執行までをプログラム化できるというのは、今はまだ商業的に成功しているサービスはないかもしれませんがこの先、いろいろなサービスが出てくることを考えるとなんだかワクワクしてきますね!
ビットコインが広まるために必要なのは「投機」
ホリエモン自身は投機には意味がないという意見を持ちながらも、仮想通貨が普及するために必要なのは「投機」だったと語っています。
例えば、日常的に店舗でビットコインを使用するような仕組み(例えば、ビックカメラなどでの支払いに使用することができます)が無いわけではないですが、今の現状で日常的に仮想通貨を使用することを考えなくてもいいのではないだろうか?と本書の中で語っています。
それよりも大切なのは 「流動性が上がること」 だと言っています。
流動性が上がることで仮想通貨のボラティリティも落ち着くだろうし、店舗などで使用される未来も見えてくるだろう。
しかし、大事なのは「流動性が上がる」という点に着目することで、流動性があがるためには投機が必要だと言っているんですね。
現金至上主義の日本でいきなり仮想通貨の決済が使われることは想像しにくく、決済スピードの問題もあり店舗側にはメリットはありません。
そのため、流動性を上げるためには投機の対象としてたくさんの法定通貨(フィアットマネー)が流れ込んでくることが必要なんですね!
国際間送金の問題を解決するリップル(XRP)
本書では2017年のアルトコインバブルの主役として登場するのが リップル(XRP) です。
2017年の初頭に0.7円だったリップルはアルトコインバブルに乗り一時400円までの高値をつけます。
そんなアルトコインバブルの主役となった リップル が掲げるミッションが 国際送金の問題を解決する というものです。
この文章の最初にも、銀行の国際送金が手数料もかかり時間もかかるという話を書きました。リップルを発行するリップル社が解決しようとしている問題がこの国際送金なんですね。
リップルを法定通貨(フィアットマネー)のブリッジ通貨として使用してもらうことで手数料としてXRPを使用するというものになります。
しかし、本書の中ではそれもビットコインでいいのではないか?と語られています。
確かに送金スピードの問題などもありますが、ビットコインの非中央集権主義とは異なった主義をもっているのがリップルです。それは発行体が存在するという点ですね。
結局、そのような価値観が変わらない限り人はなにか権威のあるものがあるとそこに安心感を持つものなのかもしれません。
テクノロジーは常に優越する
いろいろな問題がまだまだお金には存在しています。だからこそ、イノベーションが起こる可能性もまだまだ多いのかもしれません。。。
本書でホリエモンはアナザーwebを例に
何度でも繰り返そう。規制は決して技術に対抗できない。守る側の方が、遅い。だから僕は新しい方に張るのだ。
と語っています。江戸時代には 旗振山 という大阪の 堂島米会所 の値段を旗を振って伝える仕組みがあり、それが規制されたら今度は伝書鳩を使った話がでてきます。 江戸時代は世界で初の先物取引 が行われていたりなど、日本が最新の金融産業だったんですね。
また、大岡越前守の話も興味深いものでした。大岡越前守は 「価格の安定のためには市場の流動性が何よりも重要だという、マーケットの仕組みをよくわかっていた。」 という、ビットコインの価格の安定のために流動性が必要という話とリンクするので江戸時代にすでにこのような視点を持っていたというのは非常に面白いなと思いました!
お金に関してまだまだ勉強になることが多いなと思いましたし、仮想通貨、ブロックチェーン、スマートコントラクトはこれからどんどん世の中を変えていくだとうと思うのでこの本は一度読んでおくといいんじゃないかなと思いました!