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諦めたらそこで試合終了だよ。

SHOWROOM社長前田裕二著「人生の勝算」を読んだ

ライブ配信サービス「SHOWROOM」の社長を務める前田裕二さんの著書「人生の勝算」を読んだ。
買ったまま積読していたのだけれど、最近某有名女優との沖縄旅行が報道されていたので気になって読み始めたら面白くて一気に読み終えてしまった。 前田さんの苦難の人生やそれを乗り越えるための圧倒的な努力、またビジネス的な観点も興味深く読んでいて勉強になった。

人生の勝算 (NewsPicks Book)
幻冬舎 (2017-06-29)
売り上げランキング: 4

この本で伝えたい3つのこと

本書のプロローグで、この本で伝えたい3つのことが述べられている。それは、

  1. 絆の大切さ
  2. 努力の大切さ
  3. 「コンパス」を持つことの大切さ

絆の大切さ

絆の大切さ、では例として街のスナックやアイドルなどが持つ「コミュニティの強さ」を説明されていてこれからのビジネスではコミュニティ形成が欠かせないキーワードとなると考えている話だった。 コミュニティは現代人が価値を感じる要素が詰まっていて、成功には先天的な要素は関係無く後天的な努力の絶対量で成果がでるとのこと。

努力の大切さ

この本では前田さんの圧倒的な努力が書かれている。
例えば、証券会社に勤めていたときの話では働き方改革が謳われる現在では必ずしも良いとは言えないかもしれないが、朝の5時には会社に行き、その後夜中遅くまでとにかく働いていたという。
そのおかげで2年目ではニューヨークに転勤することができ、そこでも同様に働くことでトップの成績を出すことができたという。
また、宇田川さんという尊敬する先輩を持ち、その先輩みたいになりたいと思ったあとは喋り方や仕草、ノートのとり方、文具まで完コピしたという徹底っぷり。

就活のときも自己内省のために自分の考えをまとめた自己分析のノートを30冊は書いたという。また、グループ面接を突破しないと自分の話を聞いてもらえないということから何度も友達とグループディスカッションの練習をし、グループ面談はほぼ負けなしという結果だったそうだ。

人生のコンパスを持つ

この本ではコンパスを持つ、すなわち自分の譲れない信念、価値観を持つことが大切だと語られている。
不幸なのは自分のコンパスを持たぬがゆえに、隣の芝生が青く見えてしまうことだと書かれている。

世の中の課題は、大体モチベーションで解決できると思っています。

本書では、このモチベーションを保つために人生のコンパス(価値観)が必要であり、コンパスがあることで広い海での航海でも進む道を定めることができるということでした。
自分の進む道を失うと、途中で何をしているのかわからなくなりモチベーションが低下する。そうならないために、人生のコンパスが必要で、コンパスを見つけるためには徹底して自分と向き合い、人生をかけて何がやりたいのかを問うことが大切だと気付かされました。

天才エンジニア川崎修一

この本で少しテンションが上がったのがDeNAの開発トップの川崎さんが出てくる部分でした。
川崎さんがSHOWROOMを手伝っていたのは知っていたので出てきたときは「おおお!ついにきた!」という感じでテンションが上りましたw

正式リリース前のベータリリースのお祝いのときに、配信が止まるという大失態を起こしてしまったSHOWROOMを救ったのが当時DeNAのアメリカオフィスから帰ってきていた川崎さんなのだそうです。
どうやったらこの苦境を乗り越えられるか朝まで話し合いアドバイスをもらったおかげで正式リリースまでこぎつけることができたのだそうです。

川崎さんはDeNAの取締役を務めているにもかかわらず現場メンバーの一員として朝まで話し合うとは、技術的な部分だけでなくその人柄の部分でも素晴らしい人なのだと感じました。

ソーシャルネットワークの次に来るもの

人が日常的に使うデバイスが変遷する中で、その流れを上手くとらえらえられないソフトは廃れゆく。これはいつの時代も変わらぬ黄金則だと思います。

このような話が出ている。携帯電話がスマホにシフトしたとき、ソーシャルネットワークの体験が変わったのと同様にこれから先も同じようなデバイスの変化によって次の時代はライブストリーミングが来るという。
その流れの中で前田さんはSHOWROOMで「世界一」を取りたいと目標を掲げていた。日本一ではなく、世界一。

それは前田さん自身のコンパスがどこまで昇り詰めれるかを目指している点と、日本発のネットサービスがまだ世界で成功しない状況を打ち破りたいと考えているからだった。
SONYTOYOTAといった50年以上前の企業でなく、今の時代の企業として世界で負けない企業になることが夢とはものすごい。この本を読むと前田さんならできるんじゃないかな、なんて漠然と思えてしまう。

この本でSHOWROOMが目指す世界や、前田さんの生き方、考え方を知ることができた。
またビジネス的にも考えさせられる部分がありなかなかよかった。
本書にも出てくるDeNA南波さんの「不格好経営」を読んだときも思ったがこういった起業家は本当にがむしゃらに努力しているんだな、と。
自分もまずはできる努力、当たり前のことを当たり前にするということを大切にしていきたいと改めて考えさせられた。

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